最近の耐震補強設計で悩ましいのは、田の字型住宅(農家型)の耐震補強計画です。
いわゆる襖や障子で区切られた和室がいくつも並んでいる壁の少ない住宅。
耐震補強とは壁を強くすること。
その壁がないと新しく壁を設置するか、重量を軽くすることになります。
しかし、瓦を葺き替えるのは忍びない・・・。
悩んでいるさなか、「江戸東京たてもの園」にある高橋是清邸にヒントとなる補強工事がされているとのこと。
さっそく社員研修として出かけてきました。
大学1年生以来2度目の来園。16年ぶりだ。
高橋是清邸(明治35年築)
2・26事件で暗殺された部屋も公開されていました。
これが耐震補強格子壁。
まるで牢屋のようだ。
しかし格子壁はともかくこのような取り付け方で地震に効くのか???
よーく検証してみると床を突き抜けて土台に固定している。
さらにボルト接合のため、長押を取り替えて強度を出している。
しかし、柱には固定していない。土台と長押だけにボルトが打たれているようだ。
なぜ、桁まで伸ばさなかったのか。
なぜ、柱に固定していないのか。
田の字型住宅を地震から守る提案はもう少し時間がかかるかもしれない。。。
勉強熱心な当社スタッフ
高橋是清邸の耐震補強を考察
耐震補強